2008-10-01から1ヶ月間の記事一覧
今村章生は1981年生まれで「まひる野」所属。アンソロジー「太陽の舟」によると、小説家を目指して文芸系大学に進学したが、気が付くと短歌ゼミに所属していたという。そこで島田修三の指導を受け、作歌をはじめたそうだ。おそらくは島田が教鞭をとっている…
先日はアークの会に参加。「未来」の柳澤美晴さんや「りとむ」の樋口智子さんらを中心に札幌で行われている短歌の勉強会。今回のテーマは村木道彦「天唇」。そこで交わされた議論の内容をざっくりとまとめてみる。 村木道彦は1942年生まれで、本人の筆による…
中澤系は1970年生まれで、「未来」に所属し岡井隆に師事。早稲田大学第一文学部哲学科卒業。1997年から「未来」に参加し、翌年には「uta 0001.txt」にて未来賞を受賞するという急成長ぶりを見せている。テキストファイルの拡張子が冠されているタイトルから…
奥田亡羊は1967年生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、NHKのディレクターとして働いていた時に仕事で佐佐木幸綱と出会ったことがきっかけで「心の花」に入会。2005年に「麦と砲弾」で第48回短歌研究新人賞、2008年に第一歌集「亡羊」で第52回現代歌人協会賞…
眼をとじて耳をふさいで金星がどれだかわかったら舌で指せ 第二歌集「ドライドライアイス」(1993)から。穂村弘の歌にはしばしば、ライトなサディズムを思わせる描写が出てきます。掲出歌のように、女性の視覚と聴覚を遮断して舌で金星を指させようとすると…
歌集というのはひたすら短歌ばかり並んでいるわけですが、全体で起承転結があってひとつのストーリーになっているものも少なくなかったりします。そんな歌集を読むたびに思うのが、映画化してみたらどうなるだろうということ。実際「智恵子抄」とか映像化さ…
横山未来子は1972年生まれで、「心の花」所属。佐佐木幸綱に師事。1996年に「啓かるる夏」で第39回短歌研究新人賞受賞。2008年には歌集「花の線画」で第4回葛原妙子賞を受賞しています。生まれつき体が弱かったため車椅子生活を送っており進学も叶わなかった…
偶像の破壊のあとの空洞がたぶん僕らの偶像だろう 松木秀 この歌はタリバーンによるバーミヤンの仏像破壊をモチーフにした時事詠です。しかし現代日本のやりきれない閉塞感を見事なまでに表現しており、個別的な事件をテーマにしているにもかかわらず普遍的…
松村正直は1970年生まれで「塔」所属、現在同誌の編集長を務めています。1999年に「フリーター的」で第45回角川短歌賞次席。東京大学文学部を卒業後、就職せずにフリーターをしながら全国の都市を転々としていたというちょっと変わった過去を持っています。…