トナカイ語研究日誌

歌人山田航のブログです。公式サイトはこちら。https://yamadawataru.jimdo.com/

2009-02-01から1ヶ月間の記事一覧

穂村弘百首鑑賞・21

なきながら跳んだ海豚はまっ青な空に頭突きをくらわすつもり 第1歌集「シンジケート」から。初期の穂村作品にしては比較的珍しいつくりといえる歌だろう。おそらくは屋外のイルカショーの叙景なのだろうが、そこから海豚のかなしみに思いをはせてどうしよう…

現代歌人ファイルその23・魚村晋太郎

魚村晋太郎は1965年生まれ。京都大学理学部中退。1996年に「玲瓏」に入会し塚本邦雄に師事。2001年「銀耳」で第44回短歌研究新人賞次席、2002年「空席」で第48回角川短歌賞次席。2004年には第一歌集「銀耳」で第30回現代歌人集会賞を受賞。2007年には第二歌…

現代歌人ファイルその22・飯田有子

飯田有子は1968年生まれ。東京女子大学卒業、共立女子大学大学院修了。「早稲田短歌会」や「まひる野」を経て「かばん」に所属している。第一歌集「林檎貫通式」は2001年に刊行された。飯田はもともと古風な文語短歌を作っていたが、「かばん」ではかなり先…

穂村弘百首鑑賞・19

吐く。ことの 震え。る ことの 泣き。ながらウエイトレスは懺悔。をしない 第三歌集「手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ)」から。先日いただいた「[sai]」2号にこのような歌があった。 この。ども。る。ちいさ。な。こども。のきらきらの。きら。きらの。…