トナカイ語研究日誌

歌人山田航のブログです。公式サイトはこちら。https://yamadawataru.jimdo.com/

現代歌人ファイル

現代歌人ファイルその151・櫟原聰

櫟原聰(いちはら・さとし)は1953年生まれ。京都大学文学部国文学科卒業。「ヤママユ」に所属し、前登志夫に師事。1989年に第一歌集「光響」で第15回現代歌人集会賞を受賞した。奈良県の高校の教頭先生とのことである。過去の作品は日本ペンクラブのウェブ…

現代歌人ファイルその150・竹村公作

竹村公作(たけむら・こうさく)は1949年生まれ。高校時代より作歌を始め、「ツゴイネルワイゼン」「グラフィティ」「身中の虫」「力道山が死んだ」「企業戦士と呼ばれたりして」と5冊の歌集を出している。2002年より「礫の会」主宰。兵庫県丹波市に住み、会…

現代歌人ファイルその149・岸野亜紗子

岸野亜紗子(きしの・あさこ)は1978年生まれ。早稲田大学第二文学部卒。2001年「朔日」に入会し、外塚喬に師事。「sai」にも参加している。歌集は出していないが、アンソロジー「太陽の舟」(2007)にて作品の抜粋が読める。 みんなみんなほそい弦です 雨の…

現代歌人ファイルその148・福井まゆみ

福井まゆみ(ふくい・まゆみ)は1988年に「高知歌人」に入会。その後1990年「塔」に移り、1995年より「海風」にも所属している。桐朋学園大学ピアノ科を卒業したピアニストでもある。2003年に第1歌集「熱情ソナタ(アパッショナータ)」を刊行している。 経…

現代歌人ファイルその147・桝屋善成

桝屋善成(ますや・よしなり)は「未来」所属で岡井隆に師事。2000年度の未来年間賞を受賞し、2002年に第1歌集「声の伽藍」を出版した。岡井隆の解説によるとおそらく1964年生まれで、歌集が出た時点では三重県で郵便局員をしていたようだ。 作風は端正な文…

現代歌人ファイルその146・歌崎功恵

歌崎功恵(うたざき・のりえ)は2003年に「青遠」に入会、2006年に「未来」に入会し加藤治郎に師事した。「橋を越えて」で第1回石川啄木賞を受賞し、2010年に第1歌集「走れウサギ」を出版した。 歌崎は生命保険の営業の管理職として働く。「労働」というもの…

現代歌人ファイルその145・熊岡悠子

熊岡悠子(くまおか・ゆうこ)は1990年に「ヤママユ」に入会し前登志夫に師事。2004年に「茅渟(ちぬ)の地車(だんじり)」で第15回歌壇賞を受賞。2005年に第1歌集「茅渟の海」を刊行した。 師匠である前登志夫は人と神とが混じり合うような奈良・吉野の土…

現代歌人ファイルその144・五島諭

五島諭(ごとう・さとし)は1981年生まれ。早稲田短歌会出身で、現在は歌誌「pool」に所属している。 約束を果たせないまま物置の隅に眠っているシュノーケル ラジカセの音量をMAXにしたことがない 秋風の最中に どこか遠くで洗濯機が回っていて雲雀を見…

現代歌人ファイルその143・増田静

増田静(ますだ・しずか)は1972年生まれ。2002年に「ぴりんぱらん」で第1回歌葉新人賞を受賞。2003年に「未来」の加藤治郎選歌欄に入会するが、2004年退会。沖縄県の歌人であり、劇作家でもある。歌集「ぴりんぱらん」がある。 歌葉新人賞受賞作「ぴりんぱ…

現代歌人ファイルその142・杉森多佳子

杉森多佳子は1962年生まれ。女子美術大学卒業。1990年に中部短歌会に入会し、春日井建に師事。春日井建没後は「未来」に移り、加藤治郎に師事している。2007年に第1歌集「忍冬(ハネーサックル)」を出版した。忍冬とはスイカズラのことであるという。 杉森…

現代歌人ファイルその141・日置俊次

日置俊次(ひおき・しゅんじ)は1961年生まれ。「かりん」所属。東京大学文学部国文科卒業。フランスのエクセ・マルセイユ大学、パリ第3大学に留学し、現在は青山学院大学教授。2004年に「ノートル・ダムの椅子」で第50回角川短歌賞次席。2006年、「ノートル…

現代歌人ファイルその140・小林久美子

小林久美子(こばやし・くみこ)は1962年生まれ。女子美術大学卒業。1994年「未来」に入会し、岡井隆に師事。1996年に未来賞を受賞。歌集に「ピラルク」「恋愛譜」がある。なお、東直子の実姉である。 透明感のある口語短歌を特徴とするが、ただ淡くて実体感…

現代歌人ファイルその139・小野茂樹

小野茂樹(おの・しげき)は1936年生まれ。早稲田大学文学部国文科中退。1955年に「地中海」に入会、香川進に師事。1969年に第1歌集「羊雲離散」で第13回現代歌人協会賞を受賞したが、その翌年に若くして交通事故死している。その後遺歌集「黄金記憶」が発表…

現代歌人ファイルその138・中沢直人

中沢直人(なかざわ・なおと)は1969年生まれ。東京大学法学部卒業後、ハーバード大学法科大学院修了。1999年に「未来」「かばん」に入会し、岡井隆に師事。2003年に「極圏の光」で第14回歌壇賞を受賞。2009年に出した第1歌集「極圏の光」で第16回日本歌人ク…

現代歌人ファイルその137・しおみまき

しおみまきは1973年生まれ。「未来」に所属し、加藤治郎に師事。2008年に「ムリムラさん」で第51回短歌研究新人賞の最終選考を通過した。歌集は未刊行。 初めてしおみを知ったのは毎日新聞の歌壇である。ひらがなを多用したやわらかな字面と、呪文のような韻…

現代歌人ファイルその136・古谷智子

古谷智子(ふるや・ともこ)は1944年生まれ。青山学院大学文学部卒業。1975年に中部短歌会に入会し、春日井建、稲葉京子に師事。1984年の第30回角川短歌賞で「神の痛みの神学のオブリガード」で次席となり、1985年に同タイトルの第1歌集を出版した。 「神の…

現代歌人ファイルその135・我妻俊樹

我妻俊樹(あがつま・としき)は1968年生まれ。2002年頃から作歌を始め、歌葉新人賞には2003年の第2回から2006年の最終回まで最終候補に残り続けた。結社所属は無い。 我妻は2005年にビーケーワン怪談大賞を受賞するなど怪談作家としても活動しており、短歌…

現代歌人ファイルその134・高木佳子

高木佳子(たかぎ・よしこ)は1972年生まれ。1999年に「潮音」に入会し、波汐國芳に師事。2005年に「片翅の蝶」で第20回短歌現代新人賞を受賞。2007年に刊行した第1歌集「片翅の蝶」で第5回短歌新聞社第一歌集賞、第14回日本歌人クラブ新人賞を受賞した。福…

現代歌人ファイルその133・中野昭子

中野昭子(なかの・あきこ)は1944年生まれ。兵庫県立尼崎高校卒。1978年に「ポトナム」に入会し頴田島一二郎に師事。1986年に「躓く家鴨」で第32回角川短歌賞次席。なおこの年の受賞者は俵万智であり、同じく次席となったのは穂村弘である。1987年に第1歌集…

現代歌人ファイルその132・和田大象

和田大象(わだ・たいぞう)は1950年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。映画監督を志して日活撮影所で宣伝の仕事をした後に大阪に帰郷。家業の「ごま屋」を継ぎ、現在も経営者として働いている。「玲瓏」にて塚本邦雄に師事し、1989年に第1歌集「禊ぞ夏の…

現代歌人ファイルその131・山田富士郎

山田富士郎(やまだ・ふじろう)は1950年生まれ。立教大学文学部日本文学科卒。1985年に「未来」入会、岡井隆に師事。1987年「アビー・ロードを夢みて」で第33回角川短歌賞、1991年第1歌集「アビー・ロードを夢みて」で第35回現代歌人協会賞、2001年第2歌集…

現代歌人ファイルその130・中山明

中山明(なかやま・あきら)は1959年生まれ。駒澤大学文学部卒業。1980年に「炎祷」で第23回短歌研究新人賞を受賞。「詩歌」にて前田透に師事し、前田没後の1984年に「かばん」創刊に参加。同年、第1歌集「猫、1・2・3・4」を出版した。 歌集のタイトル…

現代歌人ファイルその129・山下泉

山下泉(やました・いずみ)は「塔」所属の歌人で、2005年の第1歌集「光の引用」で第31回現代歌人集会賞を受けている。歌集には生年や出身地といったプロフィールは付されていないが、中学生のときに初めて短歌を作り、大学ではドイツ文学科でリルケを専攻し…

現代歌人ファイルその128・尾崎まゆみ

尾崎まゆみ(おざき・まゆみ)は1955年生まれ。早稲田大学教育学部国語国文学科卒業。1987年より「玲瓏」に参加し塚本邦雄に師事。1991年、「微熱海域」で第34回短歌研究新人賞受賞。神戸市に在住し、「玲瓏」編集委員を務めている。もともと詩を書いて「ラ…

現代歌人ファイルその127・真鍋美恵子

真鍋美恵子(まなべ・みえこ)は1906年生まれ、1994年没。東洋高等女学校卒業。1926年に「心の花」に入会し、印東昌綱に師事。1949年には「女人短歌会」発足に参加した。1954年、歌集「朱夏」で第1回新歌人会賞、1959年「玻璃」で第3回現代歌人協会賞を受賞…

現代歌人ファイルその126・西勝洋一

西勝洋一(にしかつ・よういち)は1942年生まれ。北海道学芸大学(現在の北海道教育大学)卒業。1963年に「短歌人」に入会し、1968年には「北海道青年歌人会」に参加。「短歌人」「かぎろひ」の編集委員を務める。旭川市を拠点に活動する、北海道を代表する…

現代歌人ファイルその125・野樹かずみ

野樹かずみ(のぎ・かずみ)は1963年生まれ。広島大学文学部卒業。1991年に「路程記」で第34回短歌研究新人賞受賞。その後「未来」に入会し加藤治郎に師事。2006年に第1歌集「路程記」を刊行した。 新人賞の受賞から第1歌集の出版までに15年を要している。こ…

現代歌人ファイルその124・相良宏

相良宏(さがら・ひろし)は1925年生まれで、1955年に結核で没した。中央工業専門学校(現・中央大学理工学部)航空機学科中退。アララギ系の短歌結社「新泉」にて近藤芳美の選を受け、後に「未来」の創刊に参加した。没後の1956年に遺歌集「相良宏歌集」が…

現代歌人ファイルその123・生沼義朗

生沼義朗(おいぬま・よしあき)は1975年生まれ。日本大学芸術学部卒業。1994年に「短歌人」に入会し、蒔田さくら子の選歌を受けた。2002年に第1歌集「水は襤褸に」を刊行して第9回日本歌人クラブ新人賞を受賞。2005年より歌誌[sai]にも参加している。 生沼…

現代歌人ファイルその122・富小路禎子

富小路禎子(とみのこうじ・よしこ)は1926年生まれ、2002年没。女子学習院卒業。植松寿樹に師事。1946年「沃野」創刊に参加。1954年、第1回沃野賞。1955年、第3回新歌人会賞。1992年に「泥眼」で第28回短歌研究賞を、1997年に「不穏の華」で第31回迢空賞を…